これが民主党の「正体」だ

これが民主党の「正体」だ

支持団体との関係から見れば、民主党は自治労と日教組に支えられた「第二社会党」だ。


 この十月、民主党は『民主党政策INDEX2008』という政策集を発表したが、そこには外国人地方参政権の付与、人権侵害救済機関の創設、選択的夫婦別姓等の早期実現、いわゆる慰安婦問題に関わる「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」など、左翼イデオロギー色の強い政策項目が並んでいる。

 むろん、こうした政策が掲げられるのは、それを推進する国会議員がいるからに他ならないが、議員が机の上で単に議論しただけでこれらの政策項目が出てくるわけでもない。そこには民主党の支持団体の要求、主張が色濃く反映されていると考えるのが自然であり、その関係を考えることは民主党の「正体」を知ることにもつながると思われる。そうした視点から民主党と支持団体との関係に着目し、民主党とは一体何なのかを考えてみた。

 さて、民主党にとって最大の支持団体といえば、連合(日本労働組合総連合会)ということになる。国政選挙では、民主党は連合と政策協定を結び、連合は国政選挙に民主党公認で多数の組織内候補を出している。例えば、昨年の参議院選挙比例区には連合の組織内候補が七名立候補し全員が当選している。民主党の比例区当選者は全体で二十人だから、三分の一強ということになる。

 衆議院選挙でも、選挙毎に数十名の組織内候補を当選させ、現在、連合の組織内議員は民主党議員の衆議院でも参議院でも約二割程度を占めている(『生活経済政策』〇八年六月号)。その他の民主党候補も大半が連合もしくはその連合傘下の労組の推薦を受け、民主党が獲得している組織票の約半分は連合が握っているとの分析もある(前出・『生活経済政策』)。

 かつて総評の組織内議員が所属議員の過半数を超えていた旧社会党ほどではないにしても、連合の民主党に対する影響力は他のどの団体より大きいと言わざるを得ない。その意味で、民主党はまだまだ「労組依存」と言えよう。

 一方、連合はかつての総評と違うという見方もある。昨年の参院選を例にとると、連合の組織内候補は七名だが、その出身母体を見れば電力総連、UIゼンセンは旧同盟系であり、明らかに左翼勢力と目されるのは自治労と日教組の二組織のみということになる。つまり、連合全体としての民主党への影響力は大きいとしても、日教組や自治労など左翼組合の影響力はそれほどでもないのではないか、というのである。

 果たしてそうなのか。自治労を例にとると、昨年の参院選で約五十万票を獲得して民主党比例代表候補のなかでトップ当選したのは相原久美子という議員だったが、彼女は自治労北海道本部副執行委員長、自治労中央執行委員を務めた、まさに自治労の身内、組織内候補だった。それだけではなく、自治労は衆議院では仙谷由人(徳島一区)、金田誠一(北海道八区・元自治労函館書記長)、参議院の選挙区では峰崎直樹(北海道・元自治労北海道本部調査室長)、比例区の高嶋良充(元自治労書記長)など組織内協力議員を当選させ、「自治労協力議員団」も作られている。

 衆議院議員は現在二人だが、これは平成十七年の民主党が惨敗した郵政選挙の結果で、その前の平成十五年の総選挙では、自治労は九名の民主党候補を組織・協力候補として当選させ、次期総選挙にも十二名の民主党候補の擁立をはかっている。すべての支持組織を調べたわけではないが、単一組織として十二名の立候補者を出せるのは自治労以外にはないと思われる。

 日教組はどうか。日教組は日本民主教育政治連盟(日政連)という政治団体を作り、九名の議員が加盟している。衆議院では、北海道の横路孝弘、鉢呂吉雄の二名、参議院の選挙区では、兵庫で辻泰弘、水岡俊一(元兵庫県教組書記次長)、愛知で佐藤泰介(元愛知県教組委員長)、そして山梨では有名な輿石東(元山梨県教組委員長)。比例区では那谷屋正義(元日教組教育政策委員長)、神本美恵子(元日教組教育文化局長)の二人の八名が民主党議員である(この他に日政連には社民党所属・民主党推薦の参院議員一名が加盟している)。このなかで、横路議員は現在衆議院副議長、鉢呂吉雄議員は民主党「次の内閣」の外務大臣、輿石東議員は参議院議員会長と重要ポストについている。日教組の影響力も決して小さいとは言えない。

 連合の加盟組合員数は約六百八十万人と言われている。そのなかで産業別労組の大所としてはUIゼンセン、自動車総連ということになるが、加盟組合員数は前者が約九十万人、後者が約七十万人。いわゆる組織内国会議員は前者は六名、後者は三名にすぎない(ウエブサイトによる)。

 これに対して、自治労は約百万人で連合のなかで最大の組織である。日教組は組合員は三十万人だが、いわゆる組織内議員は先に述べたように八名も出している。つまり、最大の支持団体である連合のなかで、中核組織とも言えるのが自治労と日教組だと言える。

 その意味で、連合を最大の支持組織と頼む民主党は、単なる「労組依存」というより、「左翼組合依存」の政党と言わざるを得ないだろう。

 次に、民主党が掲げる政策から見た支持組織との関係を検証してみよう。…… 

【本稿の主な内容】

 ・「左翼組合依存」政党

 ・教育政策は日教組の「受け売り」

 ・連合に裏打ちされた日教組の主張

 ・「人権擁護」はなぜ重要政策となったのか

(日本政策研究センター所長 岡田邦宏)

〈『明日への選択』平成20年12月号〉